糊炊き
目糊(型付け用の糊)は小紋糠、もち粉、上白粉、水を混ぜてよく捏ねたものを円柱状にまとめ、蒸し箱で5時間ほど蒸します。

地糊(しごき用の地色を染める糊)は上のものに更に食塩を加えて作ります。
型付け
しっかりと水分に浸した型紙を生地の上にのせ、目糊の厚さが均一になるようにヘラで糊を置きます。型紙一枚分が型付けし終わったら、後退しながら型紙の星(おくり星)を合わせ、型をつなげていきます。

型の長さは、15~20㎝程なので、一反の生地を仕上げるのに70~90回ほど同じ作業を繰り返します。

型紙は仕上がった時に白く抜かれる柄の部分が彫られているので、型紙の彫り抜かれた部分に糊を置くことで防染され、染め上がった部分が白く浮き上がります。

ヘラは縞を型付けする「たて掻き」と、それ以外の型に使う「駒ベラ」があります。
しごき(地染め)
型付けをした生地を乾かして、その上から染料の入った地糊(色糊)を先端にゴムがついているヘラでしごき、地を染めます

色糊は、試し染めをしながら慎重に作ります。
蒸し
地糊が乾かないうちに、棒にかけて檜で作った蒸し箱で蒸し上げます。
色糊の中の染料を生地に定着させるための重要な工程で、蒸し箱の中の温度は90~94℃の高温になります

蒸しが足りないと発色が悪く、蒸しすぎると滲んでしまいます。
水元
蒸しあがった生地の糊や余分な染料を、水の中でふり洗いし、湯に通し、仕上げにタワシでこすりながら、水で丁寧に洗い流します。

昔は川で洗っていましたが、現在は水道水で洗い、乾燥させます。
はき合わせ(地直し)
染め上がった色に合わせて色を作り、小筆や小刷毛を使い、型付けの継ぎ目の部分や染めムラをきれいに修正し、最後に蒸すことで(空蒸し)色を定着させます。

柄にもよりますが、10日から1か月かけて平らに直します。
この作業により、”静かな小紋”に仕上がります。